考えるヒトリ

デキゴト

(カンガエゴト)

40年前のラブソング『ハッとして!Good』に登場するプリンスに想いを馳せて…

ただ今深夜の3時半。早急に寝なければいけないけれど、こんな時間に田原俊彦氏の『ハッとして!Good』を聴いてしまった。しまった…。今、この気持ちを書き留めよう。

真っ暗な部屋でスマホブルーライトを浴びるのは快眠の妨げになるので、(やや手遅れ気味ではあるが)急いで思ったことを書いて寝る。

ハッとして!Good』、すっごい良いの〜!良いのよ〜!!

 

ハッとして!GOOD -2010 New Recording-

ハッとして!GOOD -2010 New Recording-

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この曲、ザ・乙女の妄想劇場という感じでたまらなく良い。歌詞の全てがロマンチックだし、その情景を表す一つ一つの言葉がとんでもなくキュート。ある男女が偶然電話ボックスで出会い、恋に落ちるところから始まるのだけど、出だしから恋の予感がプンプンする。歌い出しの『パステルに染まった高原のTelephone Box〜』…この一文だけで、「あ、恋が始まるわ」と分かる。こんなベタな恋愛スポットで偶然バッタリ出会って、恋以外に何をするのか…。Sweet Situation以外の何物でもない。

その後の『ハッとしてグッときてパッと目覚める』とかいう、全く説明のつかない擬音語のオンパレード(言っておくが、彼は関西人ではない)。きっと恋愛を始める時に、頭で考えなくても良い年齢なのだろう。多分、恋をした時にすぐ『運命だ!』とか言えてしまうような、純粋なお年頃なんだと思う。だって出会った瞬間に、きらめく高原で『僕は今さわやかな君だけのプリンスになると決めたのさ』って誓えるわけだし…。「きらめく」、「さわやか」、「プリンス」…こんな眩い言葉をキラキラとちりばめて、不幸を歌う方が困難である。なんとロマンチストで…非現実的な…圧倒的若さ…。甘い甘い甘い!言葉も人生の見通しも甘い!

10代そこそこの時って、こういう直球な言葉で気持ちを表現してくれることが最大の愛だと思ってた気がする…(よく覚えてないけど)。そんな流れで曲の1番からいきなり、『君だけのプリンス宣言』をされる。そうか、私たちはトシちゃんだけのプリンセスだったのか…。

2番ではテニスコートで手と手が触れ合い恥ずかしがる女子(私)と、それを見てキュンとするトシちゃん……そして2人だけの世界へ羽ばたいていくのであった…《続く》

ここで曲が終わる。

…終わってしまった!!恋をすれば一直線なロマンチストの歌なので、実にスピーディーな展開である。3分34秒で、出会ってハッときてグッときてパッと目覚めて羽ばたいていってしまった…。気づいたら私も、彼と一緒に2人だけの世界の入口に立っている。自分のことを『天使…(盲目)』と想ってくれ、プリンセス扱いしてくれる彼との2人だけの世界。絶対に甘い…。曲の始まりから終わりまでずっとSwwetだったけど、最後の最後までこれからの甘い日常を妄想させる言葉。一体いつこの妄想劇から抜け出せるのか…。トシちゃんと私のストーリーはまだ始まったばかりだ____。

 

多くの女の子が、この3分34秒でプリンセスになったことだろう…。そして、この最強の妄想曲を具現化したのが、セシルチョコレートのCMである…。このCMではまさに妄想の中の彼氏って感じの、爽やか〜な男子が登場する。言わずもがな我らがトシちゃんである…。なんかあり得ないんだけど、あり得そうな甘酸っぱ〜い青春。女の子ってギリギリあり得そうなことを妄想するのが上手いけど、正にそんな感じ。CM中に流れるハッとして!Goodは、トシちゃんの歌があんまり上手すぎないのがリアルで良い。

当時の少女漫画、くらもちふさこ原作の『ハリウッド・ゲーム』ではヒロインがトシちゃんにファンレターを書くシーンがあるのだけど、それがとっても世の少女代表って感じなのでここで紹介する。

あたしが俊ちゃんを好きになったのは

となりの席の男の子ってイメージで親近感を持てたことと

『チョコレート大好き!』って言っちゃうところが大好きです

ウム……多分みんな、同じように思ってたよ…。当時の田原俊彦という存在自体がそうなのだけど、セシルチョコレートのCMにはそれがギュッと詰まっていると思う。

この曲が発売されてから40年。今聴いても色褪せないきらめき…。しかし、驚くべきは「今聴いてもいい曲!」ってところではない。なんと、田原俊彦は40年後の今も尚きらめくアイドル曲を発表している。

去年(2019年)に発売された『好きになってしまいそうだよ』のカップリング曲、『Kissしちゃおう』。そろそろ60歳になるトシちゃんは歌う。「Kissしちゃおう甘いたくらみ どうして欲しいか言っちゃいな〜」

これを聴いた瞬間、『この人は40年間アイドルとして走り続けているんだ』と悟った。40年前にプリンス宣言をしてからずっと、プリンスなんだこの人。

アイドルが路線変更をする時に、アイドルからアーティストへ脱皮…みたいな表現があるけれど、トシちゃんはずっとアイドルをしている。

トシちゃん本人の口からよく聞く、エンターテイナーって言葉。アイドルから歌手へ…役者へ…とか、そういうカテゴリーの変更ではなくて、表現者としての話だと思うからあえてこう言おう。田原俊彦って最高のアイドルだよなぁ〜。